本日は、お日柄もよく

OLだった女の子が
スピーチライターとして成長していく物語です。

小説ですから実にテンポよく進んでいきます。
言葉を生み出していく苦労は気持ちよくスッパリ描かれません。
ページをめくれば物事が進むように
私も言葉を生み出せたらと
羨ましく思いながら読み進める
ひねくれものの自分に気が付きました。

それでも、人の心を動かすにはどうするか?
を、これほどすんなりと表現できるのは
さすが小説家、浜田マハ。
すごいなー!

当たったと言われるチラシやセールスレターのキャッチコピー
つい、パクリたくなります。
私も昔、キャッチコピーだけ真似して・・・
散々な目にありました。
(つまり、反応が悪かった)

何かを真似するってことは
表面だけ、それだけ真似してもだめだと分かります。

何かが生み出されるには
前提となる「あるもの」が存在します。

それは「共感」です。
「そうそう!そうなんだよ!」という
読み手を聞き手を、しっかりと想定されたからこそ出てくる
共通する出来事です。

お話の中で何度も何度も触れられています。

読み進めながら
お客と店に置換えてしまっていました。
物語に引き込まれると
つい、自分に置換えてしまうのも共感です。

短い言葉
繰り返す、繰り返さない
場の読み方

登場人物たちが意識することは
私も意識したいことばかりで
「次の講演に、この手法使ってみよう」
なんて小賢しく思いながら読んだりしてね。

物を売るには
ターゲット決めから始まります。
スピーチで心をつかむのも同じです。
ターゲットを決めること。

誰に向かって伝えるのか。
その彼らが共通して感じていることは何か。
彼らと一体になる言葉をさがす。

読むと
私も何か書いてみたい
そう思う小説です。

ちりばめられた心を動かす言葉の力を感じられます。
読んだらうるっと泣けるから。