片づけの解剖図鑑

一級建築士が、家を設計するという観点から書いた「なぜ散らかるのか?」の本です。

「片づけの技術論や、精神論以前の大問題を建築的に解剖した」と
裏表紙側の帯に書いてあり興味を引かれてよみました。

自分の家に当てはめながら読むと
身につまされ、ブロックのように家を壊して建替えたくなります。

そしてこの家を建てた(設計した)大工さんを呪いたくなります。
「どうして教えてくれなかった?!」と。
まぁ。実際は大工さんも設計士に依頼したと思うので
「設計士でてこい!」とも叫びたくなります。

一読者としては
このように気軽に読めるわけですが・・・
これを自分の商売に置換えてみたら
一瞬で真っ青になるくらい気分が悪くなります。

だって・・・
商売は売り手が専門家で
買い手は素人なのですから。

責任重大でしょう?!
自分の商売商材が、お客の人生日常において
どう取り扱われるんだろう?って考えておくべだと
この本を読んで痛感しています。

例えば、私がピアノ屋さんだったら
家庭におけるピアノの晴れ舞台は30年に一度めぐってくるから
そのサイクルを知ることが新規購入や引取りや中古をすすめるべき
売り時タイミングが読めるとわかります。

例えば、私が神棚屋や仏壇屋だったら
家の間取りから髪だな仏壇を設置するのにぴったりな場所を見つけ
それは100%ピッタリという場所はないので
その場合どうするか?みたいな相談受付の案内や
ブログで紹介したりするだろうな。

例えば、私がタンス屋だったら・・・
即効業種変えを考えるかもね。

例えば、私がペットショップ屋だったら
腰痛防止対策グッズを売るな^^;

例えば、私が布団屋だったら
リビング用こたつ布団を販売するでしょう。

その理由は、ぜひ本を読んで探して欲しいのですが
専門家とは、自分の商品商材を買ってもらった後に
お客にどんな日常があるのかを如実に想像できるべき!
だと分かります。

売れればいい
売りっぱなしで買ってもらった後のことなんて想像したことない?
それは・・・お客から恨まれます。

私たちは物を売っているのではない
買った後の生活の変化を買ってもらっているのだ。
と、心せねば。

難しいことは置いておいても
読むと家を建て替えたくなる一冊かもしれません。

本日は、お日柄もよく

OLだった女の子が
スピーチライターとして成長していく物語です。

小説ですから実にテンポよく進んでいきます。
言葉を生み出していく苦労は気持ちよくスッパリ描かれません。
ページをめくれば物事が進むように
私も言葉を生み出せたらと
羨ましく思いながら読み進める
ひねくれものの自分に気が付きました。

それでも、人の心を動かすにはどうするか?
を、これほどすんなりと表現できるのは
さすが小説家、浜田マハ。
すごいなー!

当たったと言われるチラシやセールスレターのキャッチコピー
つい、パクリたくなります。
私も昔、キャッチコピーだけ真似して・・・
散々な目にありました。
(つまり、反応が悪かった)

何かを真似するってことは
表面だけ、それだけ真似してもだめだと分かります。

何かが生み出されるには
前提となる「あるもの」が存在します。

それは「共感」です。
「そうそう!そうなんだよ!」という
読み手を聞き手を、しっかりと想定されたからこそ出てくる
共通する出来事です。

お話の中で何度も何度も触れられています。

読み進めながら
お客と店に置換えてしまっていました。
物語に引き込まれると
つい、自分に置換えてしまうのも共感です。

短い言葉
繰り返す、繰り返さない
場の読み方

登場人物たちが意識することは
私も意識したいことばかりで
「次の講演に、この手法使ってみよう」
なんて小賢しく思いながら読んだりしてね。

物を売るには
ターゲット決めから始まります。
スピーチで心をつかむのも同じです。
ターゲットを決めること。

誰に向かって伝えるのか。
その彼らが共通して感じていることは何か。
彼らと一体になる言葉をさがす。

読むと
私も何か書いてみたい
そう思う小説です。

ちりばめられた心を動かす言葉の力を感じられます。
読んだらうるっと泣けるから。

会社のお金は通帳だけでやりくりしなさい

お金という発明品は便利です。
でも、厄介でもあります。

私は、商売を継いだころにお金がなくて
商品の仕入れにも困っていました。

だから、お金を稼ぐ方法を学び
沢山の失敗から、お金を稼ぐってこんな感じかぁ~
と感覚を養っています。

少し稼げるようになったら新しい疑問がわいてきました。

「あれ?稼いでも楽にならないのはどうして?」

そうです。
稼げるようにはなったのです。
二日三日で一千万とか売る技術は安定してきたのに
それが手元に残らないのはどうしてだろう?

コンサルタント部門を始めて
最初は売る事だけ教えて、売れて喜んで・・・
でもクライアントさんたちは、楽になったとは言わないのです。

どうして?

それはね。
「会社のお金」と「税金払うための決算書」との違いを知らなかったから。

決算書に上がってこないけど
手元に現金を残すために大切な数字が二つあります。
その一つが「返済金」です。
(もう一つは、またの機会にね)

この本の帯に「決算書は必要ありません」とありますが
まさしく、正しく、その通りです。

著者、神田知宜の会計本は、とにかく分かりやすい。
私たち商人は税理士になるわけではありません。
物と技術をお金にかえた、そのお金をどう見たらいいのかだけ分かればいいのです。
一番シンプルな「会社に手元にお金を残す技術」が紹介されています。

会社の数字の現実を見る。
これは儲かっていない時は辛いことでしょう。
ですが、真正面から向き合わない限り手元にお金は残りません。

本で詳しく紹介されている「やりくり表」
すべての商売人に必要です。
会社の数字と仲良くなれます。
そうすると・・・数字を見るのが楽しくなっていきますから。

私の持論ですが
商品は棚卸すればするほど売れる
お金数字は数えれば数えるほど増える
お客は思い出せば思い出すほど来店する
のです。

自分の会社・お店の数字のどこを見たらいいのか?
どうやって見たらいいのか?
を、神田式やりくり表に記入していくだけで
手元にお金が残るようになります。
商売人の必読書です。
特に返済金がある会社・お店さんは熟読してね。

ちなみに、著者 神田知宜のこの本もお勧めです。
儲けがどうして発生するかの理解の助けになります。

心を動かすデザインの秘密

筆者、荷方邦夫は言う。
「デザインについて考えることは、心と世界の仕組みを解明すること。」

序章からしびれます。

読み進めながら
本が付箋で大変なことになってしまいました。
付箋貼りすぎで、何が何やら・・・
何でも使いすぎは逆効果なんて、余計なことまで分かったりして。
付箋は目立たせるために貼るのに
やる過ぎるとめだたなくなったわけです。

読み進めると
この現象は「示差性」と「示差性のやりすぎ」なのだと知りました。
筆者は、私の付箋貼りすぎを予測して書いたのだろうかと一瞬思う。
(ないけどね)

私たちの日常で
当たり前に、普通に、取り立てて考えることもない現象。
それらにも全て意味があると分かる本です。

全ては解明されておらず
今も専門に研究し続けられている分野。
認知心理学の視点でみた「世の中の当たり前」が
商売の工夫につながってしまう、と私には読めるわけで・・・

人の反応について考えられているからね。
商売は「人」というお客がいてこそ成り立ちます。
人に共通する特徴が知りたい!!
と・・・商売人なら思うはずです。

人の、どの部分に、どんなボタンがあって、
そのボタンを押すとどうなるのか?って。

ボタンは心の中
(脳の中かもしれないけれど)
見えない。

見えないものを
見えるようにする方法は
コツコツと現象の観察をして
同じ状況を再現することを繰り返す。
地道な実験なんだなぁ。

難しく説明するコトは簡単だけど
それよりも楽しんで読めるから読んでほしいの。

好きになるってどんなこと?
分かるってどんなこと?
飽きないってどんなこと?
どうしてみんな椅子に座っちゃうの?
一連の物語を一瞬で思うかべるのはどうして?
わかりやすさを作るにはどうするの?

こうした「人の仕組み」を知らずに
お客様に物を紹介しても
分かった、好きだ、欲しい、飽きない、とはならない。

自然に魅了される仕組みをつくるための部品。

うん。
この本は、そんな本。

情報あふれる今だからこそ読んでおかなくちゃ。

ちなみに・・・アマゾンのリンク貼ろうとしたら
こんなTシャツもでてきたので貼っておこう。

傑作将棋アンソロジー 棋士という人生 

コンサルタントという仕事をはじめてからも

私はビジネス書をほとんど読まない。

それよりも「人」を知りたくてしようがない。

だから小説をよむ。

商売は最終「人」相手だもの。

 

この本は、将棋のプロ棋士の生き様に触れた気分になれる。

そして、その厳しさに商売の厳しさを重ねてしまう。

 

頂点を目指して極められるのはほんの少数。

あがき、逃げ、焦り、一人戦い続ける様に引き込まれていく。

将棋も棋士もまったく知らない私でも問題なく読める。

(棋譜に触れた部分だけは飛ばし読みしてしまったのはお許しください)

 

決してハッピーエンドではない中で

それでも辞められない辞めたくない感情を抱えて生きる人生。

私が、商売うまくいかず借金を抱え商売止めるわけにもいかなかった

あの頃が傍らに蘇ってくる感覚と共に読み進みました。

 

20名の著者エッセイを、棋士である著者の大崎善生が編んでいる。

(一冊の本で目いっぱい豪華な執筆陣ですよ)

一人の棋士を違う著者が取り上げていたり

エッセイの主人公が生きる時代が少しずつズレていることで

不思議な連鎖が生れる。

まるで遺伝子のらせん階段のような本だと思った。

(しかも、そのらせん階段はゆっくりと回転している状態ね)

 

棋士という人生を歩むに至った人たちの軌跡は興味深い。

ギリギリの体験からでた言葉は多くの気付きを与えてくれる。

読みながら何度「うぅーん…すごい」と唸ってしまったことか。

ここで紹介したくなるけれど、それは無粋だからやめておく。

やっぱり本は自分で読まなくちゃね。

特に、自分の商売にかじりついている人に読んでほしい。

 

楽しい事ばかりじゃないのが商売だけど

そんな中でよりどころにしたい言葉がたくさん拾える本だから。

 

読み終わって思い当たったことがある。

ニュースレターを何人かのスタッフで書いたり

店舗のブログを何人かで書くと

不思議な魅力が出るときがある。

アレはコレなんだなぁ。

一つのテーマを何人かの視点で書く魅力。

もちろん…テーマ自体は一考の必要があるけれど。

棋士という人生: 傑作将棋アンソロジー (新潮文庫)